「来季の給料は、拳の握り方で決める」
その一言で、事務所の空気は一瞬にして凍りついた。いつものように横暴な上司が、机の上に妙なカメラを置いて胸を張っている。査定表でも勤務成績でもなく、まさかの握り拳。社員たちは呆れながらも、どこか嫌な予感を覚えていた。
「拳は口ほどに物を言う、というだろう」
そんなことわざは聞いたことがない。
だが、上司は本気だった。ペンギンもシャチもパンダも、本来なら拳など作れない。そこで技術開発部に頼んで作らせたという“拳可視化カメラ”が登場する。なぜそんなものに開発費を使ったのか、誰も深く考えてはいけなかった。
最初に映し出されたのは、ペンギンの拳だった。親指をほかの指の上に乗せるタイプ。診断によれば、この握り方をする人は責任感が強く、物事に真面目に取り組む堅実派だという。自分の強みも弱みも理解しており、マネジメント能力にも優れているらしい。
ペンギンにはぴったりだった。いつも冷静で、周囲の暴走を止める役目を自然に背負っている。だが上司はその結果を見た瞬間、妙な警戒心を燃やした。
「つまり、お前は俺の地位を狙っているんだな」
真面目に働いただけで謀反を疑われる。ペンギンは反論する気力すら失いかけた。さらに診断には、慎重すぎて行動に移すまで時間がかかるという弱点も出ていた。石橋を叩きすぎて割るタイプ、と言われれば確かに思い当たる節はある。危険な給料改ざんを止めたことまで、なぜか欠点扱いされていた。
次に映ったのはシャチの拳。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=vGuqVzffS-A,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]