2019年5月1日、平成が令和にかわり、平成の天皇陛下は退位して上皇となられました。
でも、あらためて考えてみると、上皇陛下って、どんな方なのでしょう? ふだんは何をされているの? 小学生の時はどんな子どもだったの?
というか、そもそも小学校には通われていたの?
…など、陛下について知らないこと、実はとても多いのです。
昭和8年(1933年)、のちに平成の天皇として即位される明仁親王が誕生しました。
当時、日本では天皇は「現人神(あらひとがみ)」とされ、そのお子様である明仁親王も「神の子」として扱われました。
明仁親王の幼少期は、一般の子どもとは全く異なるものでした。お生まれになるとすぐに両親である昭和天皇・香淳皇后のもとを離れ、「東宮御学問所」 という特別な環境で育てられました。そこでは学問や礼儀作法を厳しく学び、一般の人々との接触はほとんどありませんでした。
戦争が激しくなると、学習院初等科の生徒だった明仁親王も栃木県日光に疎開。食料不足や空襲の恐怖を経験しながらも、級友たちと共に厳しい時代を過ごしました。
しかし、戦後、日本国憲法の公布により、天皇は「象徴」
となり、「現人神」という考え方は否定されました。これにより、明仁親王もまた「神の子」ではなく、一人の人間として育てられるようになりました。
そんな時代の変化の中、上皇陛下は**「国民とともにある天皇」** を目指すようになり、これが後の平成の天皇としての在り方につながっていくのです。