NHKの朝ドラ「虎に翼」では、伊藤沙莉が演じる主人公・寅子のモデルとなった三淵嘉子さんの人生が描かれています。その背後には、彼女を支えた家族たちの物語があります。今回は、彼女の両親、兄弟、そして子供たちの今について掘り下げてみましょう。
三淵嘉子さんの父、武藤武藤助は香川県丸亀市出身で、丸亀藩の五足位を務めていたことから、名門の家系に生まれました。
母の武藤信もまた、幼い頃に父を亡くし、裕福な叔父夫婦に引き取られました。女学校に進学し、時には厳しく、時には優しく育てられた信は、戦後間もなくして脳出血で急逝しました。この両親の愛情深い育て方は、嘉子の性格や生き方にも大きな影響を与えたとされています。
嘉子には複数の兄弟がいましたが、彼らもまた波乱に満ちた人生を送りました。長男の一郎は、横浜高等商業学校を卒業し、日地政策所に就職。しかし、戦時中に乗船していた船が米軍の魚雷によって沈没し、命を落としました。戦争という過酷な現実が、彼の人生を早々に終わらせてしまったのです。
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