道長の体調不良は、宮中で瞬く間に知れ渡り、まひろの夫で山城守を務める藤原宣孝(佐々木蔵之介)の耳にも入った。まひろの道長への思いを知る宣孝は、まひろに彼の危篤を知らせた。その夜、まひろが月の下で道長に「逝かないで」と思いを馳せると、高松殿で床に伏していた道長の夢の中にまひろが現れた。まばゆい光のなかで目覚めて体を起こし、再び横になろうとした道長の左手をとって「戻ってきて」
まひろが月明かりの下で祈りを捧げたその夜、高松殿の一室では、病に倒れた道長が昏睡状態にあった。彼の周りには心配そうに見守る家臣たちが集まっていたが、その顔には一抹の不安が浮かんでいた。道長は名門藤原家の一員として、数々の政務をこなしてきたが、今回の病はかつてないほど彼を苦しめていた。
まひろは、道長との過去の思い出が次々と胸に蘇ってきた。
道長もまた、そんなまひろの苦労を知りながらも、彼女を支えるために尽力していた。
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