三度目に、あの銀色の軽自動車を見つけた時だった。
私はもう、持ち主を探さなかった。
管理会社へ電話して、
「今すぐ移動させてください」
と頼むこともしなかった。
代わりにスマートフォンを取り出し、車の位置とナンバー、地面に倒された黄色い標識を撮影した。
そして、過去二回分の記録と一緒に送信した。
その場所は、カーシェア専用の返却スペースだった。
一度目。
私は予約終了時刻までに車を戻したのに、その軽自動車が停まっていたせいで返却操作ができなかった。
管理会社が持ち主へ連絡しても、現れたのは30分後。
私は余計な利用料金を支払うことになった。
男は悪びれもせずに言った。
「空いてたから停めただけだろ」
二度目。
私が到着した時には、すでに次の利用者が待っていた。
それでも専用スペースには、また同じ車。
車主が移動するまでに時間がかかり、次の人は予約をキャンセルする羽目になった。
その時も男は、
「その時間、本当に誰か使う予定だったの?」
と笑った。
予定があるから、予約スペースなのだ。
だが彼には理解する気がなかった。
そして三度目。
私は撮影を終え、管理会社の専用フォームへ資料を送った。
すると、近くの店から男が出てきた。
私の顔を覚えていたらしい。
「またお前かよ」
男は鼻で笑った。
「車位の監視員でもやってんの?」
私は答えなかった。
男は倒れていた「カーシェア専用」の黄色い標識を足で蹴った。
「こんなの置いてあるから邪魔なんだよ」
さらに私のスマートフォンへ指を向けた。
「勝手に車を撮るな」
「消さないなら、警察に言うぞ」
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