私の名前は奈央子です。
三十八歳になった今でも、あの日の夜のことを思い出すと胸が締め付けられます。
台所のテーブルの上に置かれた、小さな安物の菓子箱。
それは、義母の静江さんから私への「お年玉」でした。
けれど、その中身を見た瞬間、私は言葉を失いました。
義姉の由美さんと恵子さんには、それぞれ十万円が入った立派な封筒。
そして、六年間ずっと義母の世話をしてきた私には、近所のスーパーで三百円もしないような煎餅の詰め合わせ。
その箱を家に持ち帰り、誰もいない台所でそっと蓋を開けた瞬間、私は声を押し殺して泣きました。
なぜなら、その安っぽい箱の中には、私が想像もしなかった「本当の気持ち」が隠されていたからです。
六年前、義母の静江さんは突然、脳梗塞で倒れました。
病院で医師から告げられた言葉は、家族にとって重いものでした。
「右半身の麻痺が残り、今後は寝たきりに近い生活になる可能性があります」
その後、夫の工事の家で家族会議が開かれました。
工事には二人の姉がいました。
長女の由美さんは車で二時間ほど離れた場所に嫁ぎ、次女の恵子さんは新幹線を使わなければ簡単には戻れない遠方に住んでいました。
二人とも口をそろえて言いました。
「子どもがまだ小さいから」
「仕事を休めないから」
介護を引き受けることは、最初から考えていないようでした。
そして、その場にいた全員の視線が私に集まりました。
長男の嫁である私が、義母を見るのが当然。
そんな無言の空気が部屋いっぱいに広がっていました。
私は当時、パートで働いていました。
しかし、その仕事を辞め、義母のいる家へ移り住み、介護生活を始めることになりました。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wzMkRMl8VGs,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]