1960年代、日本映画界を代表するトップ女優だった芦川いづみ。その端正な顔立ちと透明感のある演技で、「馬車」などの名作を通じて多くのファンを魅了してきました。しかし、1968年に俳優の藤竜也と電撃結婚を発表したことで、突然の女優業引退を決断。そのあまりに唐突な出来事は、当時の映画ファンや関係者の間で大きな話題となりました。

特に注目されたのは、この結婚が世間一般に「格差婚」として認識された点です。芦川はいわば映画界のスター女優、一方の藤竜也はまだ駆け出しの若手俳優で、彼の名が世間に広く知られるようになるのはさらに後のことでした。そのため二人が結婚に至るまでの背景には、数々の障壁や葛藤があったに違いありません。そしてその障壁を乗り越える鍵となったのが、石原裕次郎という存在だったことは、後世の人々にとっても衝撃の事実です。

 石原裕次郎の強力な後押し

石原裕次郎は、日活映画の黄金時代を彩ったスーパースターとして知られていますが、同時に映画界の舞台裏ではその影響力の大きさでも有名でした。この影響力を存分に発揮し、芦川と藤の結婚を実現に向けて動いたのが裕次郎でした。

当時、芦川の所属事務所は二人の結婚に難色を示していました。事務所の反応は当然と言えるかもしれません。

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