ゴールデンウィークの混雑した新幹線。指定席を購入していた俺は、いつものように東京に向かって出発する予定だった。しかし、その日、俺を待ち受けていたのは予想外の事態だった。
新幹線がホームに到着し、俺はチケットを手に自分の指定席へと急いだ。混雑を避けるために事前に指定席を取っていたので、安心して座れるはずだった。しかし、席に到着すると、そこには見知らぬ男が座っているではないか。
最初は穏やかに、席を譲ってもらおうと声をかけた。「すみません、ここは僕の指定席です」。しかし、男は微動だにせず、まるで聞こえていないかのように完全無視を決め込んでいた。これには少々驚いた。普通、席が間違っていると気づいたらすぐに立ち去るものだと思っていたからだ。
俺は少し強めに、今度は肩を揺らしてみたが、男はまるで石のように動かない。
さらに不運なことに、男のケータイが何度も鳴り響く。メールか着信かはわからないが、そのたびに男はケータイを取り出したそうにしていたが、俺が隣にいるので、なかなか確認することができないようだった。
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