十二月三日、曇り空に包まれた東京・八王子の武蔵野陵の参道を、砂利を踏む愛子さまの足音だけが静かに進んでいました。ラオス公式訪問を終えたその日、昭和天皇と香淳皇后に無事の帰国と務めの結果をご報告するため、愛子さまは玉串をお捧げになるべく、再びこの地を訪れられたのです。今回のラオス訪問は、日本とラオスの外交関係樹立七十周年を記念して行われた、愛子さまにとって初の本格的な海外公務でした。
その出発前、十一月十日にも愛子さまは武蔵野陵を訪れ、「行ってまいります」と心の内で告げるように、昭和天皇と香淳皇后の御陵に玉串を捧げ、深く一礼されていました。鳥居の手前でふっと歩みを止め、一礼してから神域へと入るその所作は、頭の下げ方から背筋の伸びまで一切の無駄がなく、「これこそ本物の品格だ」と静かな称賛を呼びました。その後、ラオスの首都ビエンチャンに到着された愛子さまは、民族衣装の子どもたちの「サバイディ」という挨拶に、一人ひとり目線を合わせて微笑みを返され、緊張した子どもたちの表情を柔らかくほどいていかれました。公式日程では、会談や晩餐会だけでなく、日本のNPOが支援するラオ・フレンズ小児病院を訪問され、最低限の医療機器と人手で子どもたちの命を守ろうとする現場に、深い敬意を示されました。
スタッフ全員に頭を下げ、点滴を受ける幼い患者のそばに膝をつき、「よく頑張っていますね」と穏やかに声をかけられた姿は、現地で「忘れられない励まし」と語り継がれています。資金難でクラウドファンディングに頼らざるを得なかった同病院は、愛子さまの訪問と報道をきっかけに支援が急増し、目標額を大きく超えて達成しました。「愛子さまが訪れた病院なら信頼できる」という日本からの声と、現地スタッフの「世界とつながった」という実感が重なり、医療の現場に新たな希望が灯ったのです。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=fWWlHrWirCM,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]