2023年オフ、巨人の監督であった原辰徳が二年連続でBクラスに沈んだ責任を取り辞任。彼に代わって監督に就任したのが、阿部慎之助でした。しかし、その前途は決して順風満帆ではなく、戦力補強が思うように進まず、2024年シーズンの開幕を迎える前に、主力選手の退団という衝撃的な出来事が相次ぎました。中田翔が自ら巨人との契約を破棄し、中日へ移籍したのを皮切りに、新外国人選手のルーグネット・オドーアもチームを離れるなど、阿部監督の船出は波乱に満ちていました。

これらの逆風にも関わらず、阿部率いる巨人は2023年シーズンに苦戦していた阪神や広島と互角の戦いを繰り広げ、徐々に快進撃を見せ始めます。シーズン前に巨人がBクラスに終わるだろうと考えていた落合博満も、この予想外の展開に驚きを隠せませんでした。

落合が見ていた巨人の課題

2022年、巨人は5年ぶりのBクラスという屈辱を味わいました。特に長年ショートを守っていた坂本勇人が深刻な打撃不振に陥り、シーズン途中でルーキーの門脇誠にスタメンを奪われるなど、主力選手のパフォーマンス低下が目立ちました。

そのような中、監督に就任した阿部は選手たちの調子や状況を冷静に見極め、チームを立て直すべく奮闘しました。特に、開幕から不調が続いていた坂本がシーズンが進むにつれ調子を取り戻し、中川皓太がクローザーとして活躍を見せるなど、少しずつチームは息を吹き返していきます。

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