私はリビングで新聞を読んでいると、愛猫のクルが部屋の隅で何かに集中している様子に気がついた。彼女の目は一心不乱に何かを追っている。それもそのはず、今日はクルにとって特別な日である。「そろそろクルの爪を切らなければ」と思いながら、私はゆっくりと彼女に近づいた。

クルは非常に賢く、私の心を読んでいるかのようだ。私が一歩踏み出すごとに彼女は少しずつ後ずさりする。

まるで戦場に赴く前の兵士のように警戒心を高め、つぶらな瞳を大きく見開いている。

「クル、大丈夫だよ」とやさしく声をかけるが、彼女の拒否の態度は一向に変わらない。そこで私は巧みに気を引く作戦に出た。おもちゃのマウスを取り出し、クルの目の前で軽やかに転がしてみる。彼女の表情は少し緩み、その隙に少しずつ距離を縮めた。

しかし、爪切りを手に取った瞬間、またクルの表情は固くなった。

あくまで攻撃的にならないところがクルの魅力であり、彼女の「拒否」

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