廊下に差し込む朝の光が柔らかく部屋を照らす中、鴻池剛はコーヒーカップを片手に、ソファの上でくつろぐ愛猫ぽんたを眺めていた。ぽんたは白と黒の毛が特徴的な大きな猫で、彼の生活には欠かせない存在だ。しかし、その穏やかな朝のひと時を妨げるかのように、ぽんたが突然足を引きずり始めた。

「どうしたんだ、ぽんた？」慌てて近づく剛。ぽんたは軽く鳴きながら彼を見上げ、何かが違うと訴えているかのようだった。彼はすぐさま獣医に連絡を取り、ぽんたを車に乗せて病院へ向かった。

検査の結果、幸いにもぽんたの怪我は軽傷で、足に少し擦り傷があるだけだった。しかし、ぽんたが自分で傷を舐めないように、獣医はカラーをつけることを勧めた。剛は初めての試みで少し不安だったが、ぽんたの回復を祈りつつカラーを受け取った。

家に戻ると、剛はそっとぽんたの首にカラーを巻いた。ぽんたは初めての体験に戸惑い、カラーに触れると妙におかしな動きを見せ始めた。歩こうとすると壁にぶつかり、狭い場所へ入ろうとするとカラーがつっかえてしまう。まるで宇宙服をつけられた猫のように、ぽんたはくるくるとあたりを回り続けた。

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