ある夏の日、鴻池剛は、暑さでいつもぐったりしている愛猫のぽんたを見て、何とか快適に夏を過ごさせてあげたいと思い立ちました。考えた末、ペット用のひんやりシートを奮発して購入することに決めたのです。

そのシートは、特殊なジェルを使用しており、体温を吸収し表面をひんやりと保つと高く評価されている製品でした。剛は、ぽんたがこのシートの上で気持ちよさそうに寝ている姿を想像して、一刻も早く家に帰りたい気持ちを抑えることができませんでした。

ついに家に帰り着くと、剛は早速そのシートをリビングのぽんたのお気に入りの場所に広げました。「ぽんた、これで少しは楽になるよ」と優しく声をかけ、ぽんたがシートに近づくのを見守ります。

しかし、ぽんたはシートをちらっと見るだけで、まるで何事もなかったかのようにその隣を通り過ぎてしまいました。

不思議そうに見つめる剛の目の前で、ぽんたはいつものソファの上に飛び乗り、スヤスヤと眠りについてしまったのです。

剛は頭を抱えました。「せっかく高いお金を出したのに…」と、ため息をつきながら、ぽんたの気持ちが理解できませんでした。

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