2年前、私の実家にオレオレ詐欺の電話が頻繁にかかってきた。最初は母も驚いていたようだが、しばらくしてその対応がとてもユニークなものとなっていった。
ある日、母からその話を聞かされた時、私はその内容に驚かされることとなった。どうやら母は、私に心配をかけたくなかったため、当時はこの出来事を黙っていたらしい。しかし、そのやりとりを聞いて思わず笑ってしまった。
「オレオレ」という定番のフレーズで詐欺師が電話をかけてきた時、普通の人なら慌ててしまうだろう。しかし、母は違った。
詐欺師が「オレオレ」と言うと、母は冷静に「誰? 誰?」と何度も繰り返す。詐欺師は「オレだよ!」と何度も答えるが、母はまるで何も感じないように淡々と同じ問いを返し続けた。
このやり取りが何度か繰り返されると、多くの詐欺師は諦めて電話を切ってしまった。しかし、中にはしつこく食い下がる詐欺師もいた。
その時、母はさらなる一手を繰り出した。「あっ、ひろし?」と名前をあげると、詐欺師は「そうだよ、母さん、ひろしだよ」と答えた。そこで母は、「あっ、間違えた。うちの子はたけしだった」と返したのだ。
この絶妙な返しに、詐欺師はさぞかし驚いたことだろう。私がこの話を聞いた時、思わず「母ちゃん、すごいな!」と心の中で拍手を送った。
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