1980年代、バイクブームの真っ只中に突如登場した一台のバイク、ヤマハの「アルゼット」。その斬新なデザインと革新的な性能で多くのライダーを魅了し、瞬く間に市場のトップを席巻しました。しかし、そんな輝かしい時代を過ごしたアルゼットも、ある時突然、販売終了となります。この販売終了の裏には何があったのか？今回は、その真実を追いながら、この伝説的なバイクの物語を紐解いていきます。

アルゼット誕生の背景

アルゼットが発売されたのは1981年。当時のバイク市場は激しい競争に沸き立ち、ホンダやスズキといった大手メーカーが各々の技術を競い合っていました。そんな中で、ヤマハが繰り出したのが水冷2ストロークエンジンを搭載した「アルゼット」シリーズ。このエンジンは、それまでの空冷エンジンの常識を覆し、原付バイクでありながら驚異的なパワーとスピードを実現しました。

最大の特徴は、原付にもかかわらず100km/h近い速度を叩き出せるそのエンジン性能。

ミニバイクレースでの活躍

アルゼットの活躍は、市場だけに留まりませんでした。1980年代後半、全国で流行していたミニバイクレースにおいて、アルゼットは主役級の活躍を見せました。特に「50ccクラス」ではその性能が他車を圧倒し、多くのレースで勝利を収めました。

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