数年前に亡くなった母の命日が近づくにつれて、過去の出来事が鮮やかに甦る。特にその日、母が病院で亡くなった日のことは今でも鮮明に覚えている。母は数ヶ月の闘病生活の末に息を引き取った。夜の遅い時間、家族全員が見守る中でその瞬間を迎えた。
翌日、葬儀の段取りも決まり、母の遺体を実家へ戻すことになった。最後の夜を母のために用意された部屋で過ごしてもらう。
その猫との出会いは数年前のこと。その頃、母は庭先に迷い込んできた小さな猫を家に迎え入れた。名前は「ミカ」。ミカは母と特別な絆を築き、日々を共に過ごしていた。昼間、暖かな日差しの中で寄り添う姿を何度も目にしてきたし、夜は必ず母の布団の中に潜り込んで眠っていた。
母が入院してからも、ミカは変わらず母の帰りを待ち続けていた。時折病院へ見舞いに行くとき、家族と一緒に母の匂いがついた衣類を持ち帰ることもあったが、ミカは母本人がいないことに何か気づいているようだった。
ところが、母の最期を見送った後、家に帰ってきたその夜、ミカの様子は一変した。母の遺体が部屋に運び込まれると、普段は懐っこくて穏やかな性格のミカが異常なほど怯え、部屋の隅で小さく震え出した。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=6inznbK2boQ,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]