目の前に置かれた丼は、メニュー写真から想像していたものより明らかに大きかった。
山盛りのごはんが見えなくなるほど、サーモンが何枚も重ねられている。
炙られた表面には脂が浮き、丼の縁から身がはみ出していた。
私は思わず店員を見上げた。
「これが、さっきの問題ですか?」
店員は一瞬きょとんとしたあと、声を上げて笑った。
「違いますよ。ご注文のサーモン丼、大盛りです」
私のやり取りを聞いていた隣の客も吹き出し、店内の張り詰めていた空気が一気に和らいだ。
そもそも私は、その店に入るのが初めてだった。
昼休みに偶然見つけ、入口にあった「あぶりサーモン丼」の写真にひかれて入っただけだ。
店内はカウンターを中心とした小さな造りで、厨房との距離が近い。
注文を受けた店員が料理名とサイズを大声で伝え、厨房が返事をする昔ながらの方式だった。
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