この世に誕生した動物の子どもは、人間と同じようにほとんどの場合、自力で生きていくことはできません。母親の愛情を受けながら生きていくために必要なことを学び、成長していきます。しかし、母親が養育できない状況にあると、母親に代わって育てる存在が必要です。

そんな中、病気のために残念ながらこの世を去った母猫がいました。この母猫はわが子を抱えながらも、最後の瞬間まで愛情深く子猫を守り抜きました。母猫の名はアール。彼女の実家は猫好きな一家で、野良猫に餌をあげるうちに家中猫だらけになってしまったのです。住み着いた猫が子を作り、その子もまた子を産みました。一時は家庭崩壊しかけたほど猫が増えたそうです。

そのうちの一匹の猫も、他の猫同様野良時代に餌をもらい、アールの家に住み着きました。

アールの母親は、見かねて病院に連れて行こうとしましたが、母猫は子供を取られると思っているのか、決して触らせようとせず、近寄ることすら許しませんでした。

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