「なんでこんなに眠そうなの……?」
シッターから息子を引き取った瞬間、私は違和感を覚えた。
生後9ヶ月。
いつもなら人の顔を見ると笑う息子が、今日は明らかに元気がない。
眠そうなのに、どこか不機嫌。
抱き上げても、いつものように甘えてこない。
胸の奥がざわついた。
「何かあったの?」
私は何度も息子の顔を見た。
そして、ふと思った。
「念のため、カメラを確認しよう」
その判断が、私の心を壊しかけることになるとは思わなかった。
私は今日、初めてお願いするシッターさんに息子を預けた。
口コミにも悪い評価はなかった。
プロフィールも確認した。
だから安心してお願いした。
しかも私は家にいた。
別の部屋で在宅ワークをしていた。
「何かあればすぐ駆けつけられる」
そう思っていた。
だからこそ、余計にショックだった。
監視カメラの映像を再生した。
最初の数十分は普通に見えた。
でも開始から約1時間後。
私は画面を見て固まった。
そこには、息子にYouTubeを見せたまま、自分は食事をしているシッターの姿が映っていた。
9ヶ月の赤ちゃん。
まだ自分で危険を判断できない年齢。
なのに、ほとんど目を向けていなかった。
さらに見続けると、信じられない場面が続いた。
シッターは何度もスマホを触っていた。
息子が近くで遊ぼうとしても反応しない。
眠そうにしていても、抱っこもしない。
トントンして寝かせることもしない。
バスタオルで包んだだけで、床に置かれていた。
画面越しでも分かった。
息子は眠かった。
甘えたかった。
誰かに構ってほしかった。
でも、その気持ちは届いていなかった。
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