日本人は時間に細かすぎる。 大勢のお客を乗せた新幹線は、出発時間を過ぎても一向に発車する気配がない。 グリーン車のドアを見ると、外国人の男がスーツケースをドアに挟んでいた。 ドアは閉まらず、警告音だけが鳴り続ける。 周りの空気がピリつく中、若い女性が声をかけた。 「すみません、ドアに荷物を挟まないでください。 出発できないじゃないですか?」 男は平然と言った。 「駅弁を買いに行ってくるんだ。 こうしておけばドアが閉まらないだろう」 「もう出発時間は過ぎていて、みんな困っています」 男は鼻で笑った。 「少しぐらい遅れてもいいだろう。 わざわざ日本に観光しに来てやってるんだ。 これくらい待つのは当然のことだろう。 俺の国では電車が遅れるのが当たり前だ。 日本人は時間に細かすぎる」 そう言って、男は駅の売店に駅弁を買いに行ってしまった。 女性は呆れて席に戻ると(続)
2026/08/04