【オカルト業界注目度No.1】という刺激的な言葉に違わず、大分県の一角にひっそりと存在するそのカルチャーセンターは、訪れた者の感覚を静かに、しかし確実に揺さぶる空間である。扉を開けた瞬間、そこに広がるのは娯楽でも恐怖でもない、人間の歴史と欲望、そして死生観を凝縮した展示の数々だった。
この施設のテーマは、いわゆる「エログロ・ナンセンス」。
一見すると過激で突飛な言葉だが、館主はそれを単なる猟奇趣味としてではなく、近代以前の医学、犯罪史、風俗史を横断的に見つめ直すための視点だと語る。壁一面に並ぶのは、医学写真や犯罪現場の記録、戦争の記憶を刻んだ古写真。いずれも一般の展示空間では決して目にすることのない資料ばかりで、来場者は自然と足を止め、息を詰めて見入ってしまう。
なかでも強い印象を残すのが、いわゆる「死後写真」のコレクションだ。かつて欧米で行われていた、亡くなった直後の姿を記録する風習を伝える写真群は、死を隠す現代社会とは対照的に、死を生活の延長として受け止めていた時代の空気を静かに語っている。額縁や装丁の細部にまで宿る当時の美意識は、見る者に複雑な感情を呼び起こす。
展示は写真にとどまらない。ガラスケースの中には、古い医療器具や民族儀礼に用いられた道具、昭和初期の骨董品が整然と並ぶ。頭蓋骨を加工した儀式具や、今では用途を失った精巧な機械式時計など、それぞれに由来と物語が添えられ、単なる「珍品」では終わらない重みを持っている。時計のゼンマイを巻くと、静かに動き出す仕掛けは、この場所が今も生きた記憶の集合体であることを象徴しているかのようだ。
このカルチャーセンターが特異なのは、来場者の層にも表れている。女性客が半数以上を占め、国内外、特にアジア圏からの訪問者も多い。彼らは恐怖や刺激を求めるだけでなく、人間の裏側にある歴史や文化を知ろうとして、この場所を訪れる。紅茶を片手に静かに写真集をめくる光景は、ここではごく日常的なものだ。
館主自身の来歴もまた、この空間を形作る重要な要素となっている。
寮生活の中で読書に没頭し、文学や映画を通じて「表に出ない世界」に惹かれていった経験が、収集の方向性に影響を与えたという。彼にとってこの施設は、恐怖を売る場所ではなく、忘れ去られた記録を守り、問いを投げかける場なのだ。
大分県に存在するこのエログロ・ナンセンスなカルチャーセンターは、単なるオカルトスポットではない。人間が何を恐れ、何に惹かれ、どのように生と死を見つめてきたのか。その答えの断片が、静かに、しかし確かにここに集められている。タイトルが示す通り、業界内で注目を集める理由は、その過激さではなく、圧倒的な密度で編み上げられた「人間の記録」に他ならない。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=N35H3Zs6a3Y,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]