「そんな防犯対策、今すぐやめてください!」
深夜のホテルで、見知らぬ男性スタッフから突然そう言われた。
私は思わず振り返った。
旅行先のホテルで、私は誰にも迷惑をかけず、ただ自分の身を守ろうとしていただけだった。
私は52歳の主婦。
夫は仕事で忙しく、年に数回、一人旅を楽しんでいる。
ところが最近、ネットで気になる防犯術を見つけた。
「お金をかけずにできる最強の防犯対策」
そこには、家にある物だけで侵入者を防げる方法が紹介されていた。
1つ目は、ドアノブにグラスを置く方法。
ドアが開けばグラスが落ち、音で異変に気づけるという。
2つ目は、新聞紙や雑誌をドアの隙間に挟む方法。
外からドアを開けにくくするというものだった。
3つ目は、窓のレールにペットボトルを置く方法。
窓が動けば音が鳴るという説明だった。
「これなら0円だし、私にもできそう!」
そう思った私は、次の旅行で試してみることにした。
その日、宿泊したのは駅前のビジネスホテル。
部屋に入ると、まずドアの鍵を確認した。
そして、持ってきた小さなグラスをドア付近に置き、雑誌も隙間に挟んでみた。
窓際には空のペットボトルも置いた。
これで少しは安心できる。
そう思ってシャワーを浴びようとした、その時だった。
ガチャ……。
突然、玄関のドアノブが動いた。
「えっ?」
私は息を止めた。
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