「そんな問題、小学生でも解けるだろ!」
親戚が集まった日曜日の昼、叔父がテレビに映った問題を見て笑った。
画面には、たった1つの問題が表示されていた。
「りんごが2個あります。これを3人で平等に分けなさい。ただし、包丁を使っていいのは1回だけ」
叔父は腕を組んで自信満々に言った。
「無理だろ。2個を3人で分けるなら、最低でも何回か切らないといけないじゃないか」
隣にいた父も頷いた。
「確かに。包丁を1回しか使えないなら難しいな」
母はスマホで答えを検索し始めた。
私は画面を見ながら考えていた。
普通に1個ずつ切っても、3人に同じ量を配るのは難しい。
かといって、1個を細かく切れば包丁を何度も使うことになる。
そのとき、叔父が小学4年生の息子に話しかけた。
「おい、お前なら分かるか?学校で算数を習ってるんだろ?」
息子は少し考えてから答えた。
「うーん、まだ分からない」
叔父は笑った。
「ほらな。大人でも難しいんだから、子どもには無理だよ」
その言い方に、私は少し腹が立った。
息子は勉強が得意な方ではない。
でも、いつも自分なりに一生懸命考えている。
私は息子に言った。
「急がなくていいよ。ゆっくり考えてみなさい」
すると息子は、テーブルに置いてあった2個のりんごを手に取った。
しばらく眺めたあと、突然こう言った。
「ねえ、お母さん。これ、2個を同じ向きに並べてもいいの?」
「もちろん。問題には並べ方の指定はないよ」
息子は2個のりんごを横に並べ、位置をぴったり合わせた。
そして包丁を手に取った。
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