「また、あの車だ……」
駐車場に入った瞬間、私は思わず足を止めた。
黒いアルファード。
以前にも見かけたことがある車だった。
そのときも、隣の車に異常なほど寄せて駐車していた。
運転席のドアがほとんど開かず、隣の車の持ち主が助手席側から無理やり乗り込んでいたのを覚えている。
そして今日も、まったく同じだった。
車止めまで下がっているものの、左右のスペースをまったく考えていない。
隣の車との間隔は、ドアを開けるのも難しいほど狭かった。
「さすがにこれはひどいな……」
近くにいた男性も苦笑いしていた。
「この車、前にもこんな停め方していましたよ」
やっぱり私だけではなかった。
私は少し迷った。
直接注意して逆ギレされたら面倒だ。
しかし、こんな駐車を何度も繰り返されたら、隣に停める人が毎回困ることになる。
私は車に触れず、スマホで写真を撮った。
車の位置、白線、隣の車との間隔。
状況が分かるように数枚撮影した。
さらに、以前見かけたときの写真もスマホに残っていた。
日付は違うのに、同じような停め方だった。
私はそのまま駐車場の管理室へ向かった。
「すみません。少し確認していただきたい車があるんですが」
スタッフに写真を見せると、最初は困ったような表情をされた。
「一応、駐車枠には入っていますので……」
私は落ち着いて答えた。
「枠に入っているかどうかだけではなく、隣の車が乗り降りできない状態なんです」
「そうですか……」
「しかも、今回が初めてではありません」
私は過去の写真も見せた。
スタッフは画面を見比べ、ようやく真剣な表情になった。
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