「ママ、これ絶対に合ってると思ったのに!」
夕食後、小学3年生の息子が、算数のテストをテーブルに置いた。
答案用紙には、大きな赤いバツ印。
その横には、先生の「問題をよく読もう!」というコメントが書かれていた。
問題はこうだった。
「学校まで歩いて20分かかります。たろうくんは7時45分に家を出ました。朝の会は8時に始まります。
間に合いますか?」
息子が書いた答えは「間に合う」。
しかし、先生は不正解にしていた。
「え? どうして間違いなの?」
息子は不満そうに言った。
「だって、7時45分に家を出たんだよ。朝の会は8時からでしょ? 15分もあるんだから、走れば間に合うじゃん!」
私は思わず笑ってしまった。
どうやら息子は、問題に書かれている「歩いて20分」という条件を忘れていたらしい。
「でも、この問題は走る時間じゃなくて、歩く時間を考えるんだよ」
そう説明すると、息子は納得できない様子だった。
「でも、僕なら走るよ! 走ったら15分以内に着くかもしれないじゃん!」
確かに、現実なら走って間に合う可能性はある。
しかし、算数の文章問題では、与えられた条件を使って答えを出さなければならない。
私は壁に掛けてある時計を指さした。
「じゃあ、一緒に考えてみよう。7時45分から20分後は何時?」
息子は指を折りながら数え始めた。
「7時50分……8時……8時5分!」
「そう。学校に着くのは8時5分だね。朝の会は何時から?」
「8時……」
息子の表情が少しずつ変わった。
「ということは?」
「5分遅刻する……」
ようやく自分で気づいたようだった。
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