「たかし君、1万円を持って買い物に行きました。タバコ1,000円、お酒1,000円、白い粉5,000円。合計7,000円なのに、お釣りをもらえませんでした。なぜでしょう?」
会社の昼休み、後輩がスマホに表示された問題を見せてきた。
「え、そんなの簡単じゃん。店員が計算を間違えたんだろ?」
同僚の1人が笑いながら答えた。
別の男性はすぐに言った。
「白い粉って、まさか違法なものじゃないよな?」
すると周囲から笑い声が起きた。
私も最初は、単なるくだらない引っかけ問題だと思っていた。
ところが、その場にいた50代の先輩だけは違った。
問題文をじっと見つめ、何も言わずにコーヒーを飲んでいた。
「先輩、分からないんですか?」
後輩がからかうように尋ねる。
先輩はゆっくり顔を上げた。
「君たちは、問題文を最後までちゃんと読んだのか?」
「え? 1万円から7,000円を引けば3,000円でしょ?」
「そうだな。でも、1万円札で支払ったとは、どこにも書いていないぞ」
その一言で、全員が一瞬黙った。
先輩は続けた。
「それに、白い粉が何なのかも書いていない」
「いやいや、普通に考えたら怪しい粉でしょう!」
後輩が笑うと、先輩は首を横に振った。
「それが君たちの思い込みなんだよ」
そして、ホワイトボードに3つの言葉を書いた。
タバコ。
お酒。
白い粉。
「白い粉は小麦粉かもしれない。
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