母の財布から見つかった1枚の領収証。
そこに書かれていた金額を見た瞬間、私は思わず息をのんだ。
「30,000円……?」
日付は2026年4月14日。
そして、その下には小さな文字で「内金として」と書かれていた。
さらに、その横には手書きで「残金9,270円」。
私は何度も領収証を見直した。
母は現在、病院に入院している。
昨日まで普通に生活していたのに、突然の入院で家族も慌ただしくなっていた。
そんな中、母の財布を整理していた私は、この見慣れない領収証を見つけたのだ。
「これ、何の支払いだろう……」
30,000円という決して小さくない金額。
しかも、残金が9,270円もある。
つまり、まだ支払いが終わっていないということなのだろうか。
もし母が入院している間に、お店から請求の連絡が来たらどうしよう。
私は財布の中をもう一度確認した。
ほかの領収証はない。
商品名も詳しく書かれていない。
分かるのは、お店の名前と日付、そして金額だけだった。
母に電話して聞こうかとも思った。
しかし、今はゆっくり休ませてあげたい。
余計な心配をかけたくなかった。
私は領収証を握りしめ、ある決心をした。
「直接お店に確認しよう」
外はあいにくの雨だった。
傘を差し、領収証を濡らさないようにバッグにしまって、私はお店へ向かった。
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