新幹線に乗った瞬間、私は思わず立ち尽くした。
「すみません、ここは私たちが予約した荷物スペースなんですが……」
GWの帰省ラッシュ。
私は夫と子どもを連れて、新幹線に乗り込んだ。
今回はベビーカーに加え、大きなスーツケースが2個。
普通の座席では荷物の置き場に困ると思い、わざわざ大型荷物スペース付きの座席を予約していた。
料金も通常の指定席と違い、予約の手間もかかった。
それでも、周囲に迷惑をかけずに移動できるならと思っていた。
ところが、指定された場所に到着した瞬間、私は目を疑った。
そこには紫色の大型スーツケースが2個。
赤いスーツケースが1個。
さらに青いスーツケースと黒いバッグまで置かれていた。
完全に占領されていたのだ。
夫はベビーカーを抱えたまま立ち尽くした。
子どもも不安そうに私の服をつかんでいる。
「え……うちの荷物、どこに置けばいいの?」
私はもう一度、座席番号を確認した。
間違いない。
ここは私たちが予約したスペースだった。
近くに座っている乗客に声をかけた。
「すみません。この荷物はどなたのものですか?」
すると、スマホを見ていた男性がちらっとこちらを見た。
しかし、何も答えない。
もう一度尋ねると、今度は面倒くさそうに肩をすくめた。
「ノースペース」
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