「お父さん、本当に生きていてよかった……」
事故に遭った父の車を初めて見た瞬間、私は言葉を失った。
フロント部分は見る影もなく潰れ、左側は大きくえぐれていた。
ボンネットは歪み、バンパーは外れかけ、フロントガラスにもひびが入っている。
写真で見ていたときとは、まるで違った。
実は数日前、父はとんでもない事故に巻き込まれていた。
いつものように車で走っていた父。
すると突然、前方から1台の車が向かってきた。
最初は何が起きているのか分からなかったという。
しかし、近づいてくる車は明らかに進行方向がおかしい。
「えっ、逆走してる!?」
父が気づいたときには、もう避ける余裕がなかった。
相手は高齢の女性だった。
そのまま正面から衝突。
衝撃で車体が大きく揺れ、父は何が起きたのか理解できなかったそうだ。
幸い、父は命に別状なく、事故後に必要な確認を受けることができた。
私は電話で事故の話を聞いたとき、最初は信じられなかった。
「車はどうなったの?」
そう尋ねても、父はしばらく黙っていた。
「まあ、見れば分かるよ。
とにかく俺は大丈夫だから」
その言葉を聞いて、少し安心した。
ところが、後日、事故車両を保管している場所へ行き、実際の車を見た私は絶句した。
これほどの衝撃を受けて、よく無事だったと思うほどだった。
警察、レッカー業者、そして修理工場の担当者。
事故車を見た人たちは、口をそろえて同じようなことを言った。
「これは相当な衝撃だったでしょうね」
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