「こんな問題、1分で解けないなら頭が固いんじゃない?」
夫がスマホを見ながら、夕食中の私に突然言った。
画面には、黒い背景に白い文字で書かれた4つの計算式が並んでいた。
4+4=8
5+5=15
6+6=24
9+9=?
「これ、分かる?」
夫は得意げな顔で笑った。
実は夫、昔からこういう脳トレ問題が大好きだった。
テレビでクイズ番組を見れば、家族に答えを聞く前に自分で解こうとする。
そして正解すると、必ず誰かに自慢する。
私は少し考えたが、すぐには答えが出なかった。
すると夫が言った。
「ほら、簡単そうに見えて意外と難しいだろ?」
隣にいた中学生の息子も画面をのぞき込んだ。
「え、これ普通に18じゃないの?」
夫はすぐに首を横に振った。
「違う違う。普通の足し算じゃないんだよ」
息子は少し悔しそうにスマホを受け取った。
最初は4+4が8だから、普通の計算に見える。
しかし、5+5は10ではなく15。
6+6は12ではなく24。
つまり、数字の裏に別の規則が隠されている。
息子は紙とペンを取り出した。
「4のときは8、5のときは15、6のときは24……」
何度も数字を書き直す。
夫は腕を組みながら言った。
「制限時間は1分だぞ。まだ分からないのか?」
息子は返事をしなかった。
私は少し気になって、息子のノートをのぞいた。
そこには、4×2、5×3、6×4という数字が並んでいた。
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