「波平とフネの子どもは3人だけじゃない。実は、もう1人いたんだよ」
日曜日の夕食後、息子が突然スマートフォンを見せてきた。
画面には、テレビ番組で紹介されたという難問クイズが映っていた。
「99%の人が間違える!波平とフネの子どもは、サザエ、カツオ、ワカメ。では、もう1人の名前は?」
私は思わず笑った。
「そんなの簡単じゃない。
3人しかいないでしょう?」
すると夫が横から口を挟んだ。
「いや、実はサンゴっていう子どもがいたらしいぞ」
「えっ?」
夫は得意げにスマートフォンを操作した。
そこには、サザエとカツオの間に生まれた幻の男の子がいて、生まれて間もなく亡くなったという話が書かれていた。
さらに別のページには「磯野アタル」という名前まで出ていた。
波平から跡取りとして厳しい教育を受け、9歳で家出したという、まるで怪談のような話だった。
「ほら、やっぱり隠された家族がいたんだよ」
夫は勝ち誇ったように笑った。
しかし、隣で聞いていた義父が突然テレビの音量を下げた。
「お前たち、そんな話を本気で信じているのか?」
義父は呆れた顔で言った。
「サザエさんには、昔からいろいろな都市伝説があるんだ。ネットに書いてあるからといって、全部本当だと思ったら大間違いだぞ」
夫は少しむっとした。
「でも、ちゃんと名前まで載ってるよ」
「じゃあ、その名前が公式に確認できるか調べてみればいい」
私はスマートフォンで公式サイトを開いた。
そこには、波平、フネ、サザエ、カツオ、ワカメの紹介が並んでいた。
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