「えっ……16万5000円!?」
思わず声が出た。
手に持っていたのは、義母からいただいた羽毛布団の値札だった。
税込価格、165000円。
一瞬、数字を読み間違えたのかと思った。
でも、何度見直しても同じだった。
「ちょっと待って……これ、本当に布団の値段?」
私はその場で固まってしまった。
来年、うちの子どもが小学校に入学する。
そのお祝いとして、義母が羽毛布団をプレゼントしてくれた。
実は、羽毛布団をお願いしたのは私のほうだった。
ただし、こんな高価なものを買ってもらうつもりは、まったくなかった。
義母は現在、年金で暮らしている。
決して余裕のある生活ではないと思っていたので、入学祝いをいただけるだけでも十分ありがたかった。
だから、お願いするときにも何度か念を押した。
「お義母さん、布団セットじゃなくていいですからね」
「そうなの?」
「はい。掛け布団だけで十分です。敷布団や枕はありますし、そんなにお金をかけないでください」
義母は穏やかに笑っていた。
「分かったわ。掛け布団ね」
私はその言葉を信じていた。
そもそも、なぜ入学祝いに羽毛布団をお願いしたのか。
それには理由がある。
私たち夫婦が結婚したとき、義母はお祝いとして羽毛布団をプレゼントしてくれた。
その布団が、本当に素晴らしかったのだ。
冬でも毛布がいらないくらい暖かく、軽いのにしっかり体を包んでくれる。
購入した値段は知らなかったけれど、きっと品質のよいものなのだろうと思っていた。
そして、結婚から10年。
今でもその羽毛布団は現役だ。
へたった感じもほとんどなく、毎年冬になるとありがたく使わせてもらっている。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください