小学生時代というものは、誰にとっても特別な時期だ。それは、純粋で夢中になれるものに出会い、その心を全力で傾けることができる瞬間を持てたからだろう。私にとって、その象徴的な存在が「少女漫画」だった。1960〜70年代の少女漫画は、今でも心の中で鮮やかに輝いている。お小遣いを一生懸命貯めて買ったそれらの本たちは、単なる紙の束ではなく、私の思い出の一部として今も大切に残っているのだ。
あの頃、学校から帰るとまずランドセルを放り投げ、母が決めた家事を手伝いながらも、頭の中は次に読む漫画のことばかりだった。お小遣いを何ヶ月もコツコツと貯め、やっと手に入れた一冊の少女漫画。その喜びは何にも代え難いものだった。漫画の表紙に描かれた大きな目の少女、フリルに彩られたドレス、そしてリボンとバラで飾られたロマンチックな世界に、私はすぐに引き込まれた。
少女漫画は、単に物語を読む楽しみだけでなく、夢と憧れを詰め込んだ宝箱のような存在だった。フリルとリボンに包まれた主人公たちは、どこか遠い世界で繰り広げられる美しい恋愛模様や、友情の絆を描いていた。その華やかな世界観は、現実の生活から少し離れ、私にとってはまるでおとぎ話のようだった。学校での友達関係や家庭のことに悩む日常から逃れ、漫画の中の登場人物たちと一緒に冒険する時間が何よりも幸せだった。
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