「えっ……何これ?背中、どうなってるの?」
彼がシャツを脱いだ瞬間、私は思わず声を上げた。
背中一面に、黒いできものが広がっていたのだ。
首の後ろから肩、背中の中央、腰のあたりまで。
大きさはさまざまで、小さな黒い点のようなものもあれば、丸く盛り上がったものもある。
周囲が赤くなっている部分もあり、数えようとしても途中で分からなくなるほどだった。
「これ、いつからあるの?」
私が尋ねると、彼は少し困った顔をした。
「結構前からかな」
「結構前って、どれくらい?」
「最初はほんの少しだったんだよ」
「少しって、何個くらい?」
「2個か3個だったと思う」
私はもう一度、背中を見た。
どう見ても、今は数個という状態ではない。
「これ、50個以上あるんじゃない?」
「そんなにある?」
彼は驚いたように振り返った。
自分の背中だから、普段はほとんど見えないらしい。
「ちょっと写真撮るよ」
私はスマホを取り出した。
写真を撮って本人に見せると、彼の表情が変わった。
「……えっ、こんなになってるの?」
「だから言ったじゃん!」
「ここまで増えてるとは思わなかった」
本人が一番驚いていることに、私はさらに驚いた。
「かゆくないの?」
「少しかゆいときはある」
「痛みは?」
「普段はそんなに痛くないかな」
「じゃあ、何で今まで病院に行かなかったの?」
すると彼は、申し訳なさそうに答えた。
「ただのできものだと思ってたから」
私はため息をついた。
確かに、背中にはニキビや毛穴の炎症ができることもある。
でも、目の前にあるものは、私が普段見慣れているニキビとは明らかに違って見えた。
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