「最初から割れていたんじゃないですか?」
引っ越し業者の担当者からそう言われた瞬間、私は耳を疑った。
「……何を言っているんですか?」
目の前には、無残な姿になったエアコンがあった。
白い外装は大きく割れ、内部の部品が見えている。角も欠け、破片がいくつも飛び出していた。
「これ、引っ越し前は壊れていませんでしたよ!」
しかし担当者は、まるで他人事のように答えた。
「では、壊れていなかった証拠写真はありますか?」
私は言葉を失った。
今年、神戸市東灘区内で引っ越しをした。移動距離はそれほど長くなく、同じ区内での転居だった。
引っ越し業者は何社か比較した。
その中に、東灘区にある地域密着型の引っ越し会社、ブレックスがあった。
最初は別の業者にお願いしようと考え、一度は断っていた。
ところが営業担当者が、かなり熱心だった。
「もう一度、料金を検討させてください」
そう言われ、提示された金額を見て驚いた。
当初の見積もりから、半額近くまで下がっていたからだ。
「えっ、ここまで下げられるんですか?」
「ぜひ弊社にお任せいただきたいんです」
正直、迷った。
料金だけで決めていいものなのか。
でも、同じ地域にある会社だし、移動距離も短い。
何より、営業担当者がそこまで熱心なら、作業もしっかりしてくれるだろうと思った。
結局、私はその会社に引っ越しをお願いすることにした。
ところが、その判断を後悔することになった。
引っ越し当日、荷物の搬出と搬入が進み、私は新居で段ボールを片づけていた。
家具を配置し、生活に必要なものから順番に確認していた。
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