7月のある日曜日。
掃除をしていた私は、リビングのソファの下に白い紙が落ちているのを見つけた。
拾い上げると、それは飲食店の領収書だった。
金額は22,000円。
店名は「PANAMERA」。
日付は7月19日。
「また外で食べたのね……」
最初はそう思った。
ところが、カレンダーを確認した瞬間、手が止まった。
7月19日。
その日は、私たちの結婚記念日だった。
夫はその日、朝から仕事だと言って出かけた。
「今日は大事な取引先との打ち合わせがある。夕食もいらない」
そう言って、私が用意した料理にも手をつけなかった。
結婚記念日だということも、すっかり忘れているようだった。
私はその領収書を持って、帰宅した夫に尋ねた。
「これ、何?」
夫は一瞬だけ顔をこわばらせた。
「ああ、それか。会社の人間と食事したんだよ」
「22,000円も?」
「仕事の付き合いなんだから仕方ないだろ。いちいち細かいことを言うなよ」
そう言って、夫は領収書を私の手から取り上げようとした。
私は渡さなかった。
「この日、仕事だったんじゃないの?」
「仕事だよ。だから食事したんだろ」
「じゃあ、どうして私には結婚記念日を一緒に過ごせないと言ったの?」
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