さっき、赤信号で停車していたら、突然、後ろからものすごい衝撃が走った。
「ドンッ!!」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
慌ててバックミラーを見ると、後ろの車が私のバイクに突っ込んでいた。
幸い、大きな転倒は免れたものの、バイクの後部には接触した跡があり、私はしばらく呆然としていた。
すぐに車から降りてきたのは、若い女性だった。
「すみません!大丈夫ですか?」
最初は謝罪していたので、きちんと対応してくれると思っていた。
ところが、話を聞いていくうちに、とんでもないことが分かった。
相手の車は、勤務先が借りているレンタカーだった。
しかも、本人の説明によると、任意保険には加入していないという。
「え?会社で借りたレンタカーですよね?」
思わず聞き返した。
仕事で使用する車なのに、事故を起こした場合の補償はどうなっているのか。
彼女は詳しい説明もできず、ただ困ったような顔をしていた。
その後、彼女はスマホを何度も確認しながら、落ち着かない様子で話し始めた。
「実は、急いでいるんです」
「申し訳ないんですけど、今回は行かせてもらえませんか?」
私は耳を疑った。
いやいや、ちょっと待って。
後ろから追突してきたのはそちらでしょう?
しかも、まだ事故の状況も確認できていない。
「とりあえず、警察を呼びましょう。保険会社にも連絡してください」
そう伝えると、彼女はさらに困った顔をした。
「警察まで呼ばなくてもいいんじゃないですか?」
「示談でお願いできませんか?」
私は冷静に答えた。
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