1200円以上払って注文した牛タン弁当を開けた瞬間、私は思わず固まった。
「……えっ、何これ?」
目の前にあったのは、白いご飯の上に小さく切られた肉が数切れと、ざく切りのキャベツが乗った弁当だった。
最初は、違う商品が届いたのかと思った。
だって、私が注文したのは「まるごと牛タン一枚焼弁当」だったからだ。
注文画面には、香ばしく焼かれた大きな牛タンが何切れも並び、黒い容器いっぱいに盛り付けられている写真が載っていた。
横にはレモンが添えられ、ご飯も別の容器に入っている。
見た瞬間に「おいしそう!」と思い、少し高いけれど奮発して注文した。
それなのに、実際に届いた弁当はどう見ても写真と違っていた。
「ちょっと待って、これ本当に牛タン弁当?」
私は思わず独り言を漏らした。
白いご飯の上には、濃い茶色に焼かれた肉が数切れ。
その周囲には、火を通していないように見える大きなキャベツの葉が無造作に置かれていた。
キュウリも少し添えられているけれど、写真で見たような豪華さは感じられない。
何より、牛タンの量が想像よりずっと少なく見えた。
「これで1200円以上……?」
私はもう1度、容器の中を確認した。
肉がキャベツの下に隠れているのかもしれない。
そう思って少し見てみたけれど、少なくとも写真に写っている範囲では、注文画面のような大きな牛タンは見当たらなかった。
私は慌ててスマホを取り出した。
注文履歴を開き、商品名を確認する。
そこには確かに「まるごと牛タン一枚焼弁当」と表示されていた。
「間違ってないよね……?」
私は画面を見比べた。
商品画像には、厚みのあるように見える牛タンが整然と並んでいる。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください