「一郎、二郎、もう1人は?」
そう聞かれた瞬間、私は何の迷いもなく答えた。
「三郎でしょ?」
ところが、隣にいた夫は笑いながら首を振った。
「本当にそれでいいの?」
私は思わず聞き返した。
「えっ、違うの?」
夫が見せてきたのは、たった数行の簡単なクイズだった。
『太郎のお母さんには子どもが3人います。一郎、二郎、もう1人は?』
その下には、3人の男の子のイラストが並んでいる。
左から一郎、二郎、そして最後の子だけが「?」になっていた。
どう見ても、答えは三郎に思えた。
「一郎、二郎ときたら、次は三郎じゃないの?」
そう言うと、夫はもう1度問題文を読むように促した。
「最初のところ、ちゃんと読んでみて」
私は少し面倒に感じながら、問題を最初から読み直した。
『太郎のお母さんには子どもが3人います。』
そこで、ようやく気づいた。
「……あっ!」
思わず声が出た。
問題文には、最初から太郎という名前が書かれていたのだ。
つまり、太郎のお母さんにいる子どもは3人。
そのうち2人が一郎と二郎。
残る1人は、最初に登場した太郎ということになる。
「えっ、答えって太郎なの!?」
私は思わず笑ってしまった。
こんなに簡単なことなのに、なぜ最初から気づかなかったのだろう。
夫は得意そうに言った。
「順番で考えると、つい三郎って答えちゃうでしょ?」
「うん。完全に引っかかった」
私はもう1度、画像を見た。
3人の男の子。
左が一郎。
真ん中が二郎。
右が空欄。
こういう並び方を見せられると、自然に三郎という名前が浮かんでしまう。
一郎、二郎、三郎。
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