トイレの水漏れに気づいたのは、確か土曜日か日曜日だった。
床がいつもより湿っている気がして確認すると、便器の周辺に水が残っている。
最初は掃除のときにこぼした水かと思ったけれど、拭いてもまた濡れているように見えたので、さすがに放っておくわけにはいかなかった。
「えっ、これ水漏れしてる?」
私は慌ててスマホを取り出した。
普段ならメーカーに問い合わせるところだけれど、週末だったので、TOTOは休みかもしれないと思った。
そこでネット検索をして、一番上に表示された修理業者に連絡してみた。
「すみません、トイレが水漏れしているみたいなんですけど、見に来てもらえませんか?」
電話口の男性は、状況を簡単に確認したあと、訪問について案内してくれた。
私はほっとした。
水回りのトラブルは、原因が分からないだけで不安になる。
修理代がいくらかかるのかも分からないし、床まで傷んでしまったらどうしようという心配もあった。
とにかく専門の人に見てもらいたかった。
そして、約束した時間に業者の男性がやって来た。
玄関を開けた瞬間、私は少し驚いた。
つなぎ姿の男性だったのだけれど、首元には金のネックレスが光っていた。
しかも、何というか、妙に色気がある。
水道修理の人に対して、こんな感想を抱くとは思っていなかった。
「こんにちは。トイレの水漏れですね」
「はい、すみません。こちらです」
私は男性をトイレへ案内した。
男性は周囲を確認すると、落ち着いた声で言った。
「ちょっと見ますね」
そのときだった。
「バキッ!」
続いて、
「ガコッ!」
トイレの奥から、何とも言えない大きな音が響いた。
「えっ!?」
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