「……えっ、これ血じゃないの?」
伏見稲荷のトイレで予備のトイレットペーパーを見た瞬間、思わず声が出た。
白いロールの芯の近くに、赤い汚れが付いていたのだ。
最初は印刷のインクか何かだと思った。
でも、近くで見ると、赤いものが何か所かに付着している。
「ちょっと待って……これ、そのまま置いておいて大丈夫なの?」
私は思わず足を止めた。
普段からこの周辺でゴミ拾いをしているので、公共のトイレの様子も時々目にする。
観光客が多い場所だから、さまざまな人が利用している。
もちろん、きれいに使っている人がほとんどだと思う。
でも、以前から気になっていることがあった。
それは、予備のトイレットペーパーの扱い方だ。
「何でホルダーにセットされている紙を使わないんだろう?」
トイレには、ちゃんと使えるようにセットされたトイレットペーパーがある。
それなのに、予備のロールを直接手に取って使ったように見えるものを、何度か見かけたことがあった。
中には床に転がっているものもある。
濡れたり、黒く汚れたりしているものもある。
「これ、もう使えないでしょ……」
そう思うような状態でも、そのまま放置されていることがある。
誰がそうしたのかは分からない。
たくさんの人が利用するトイレだから、利用者を特定することもできない。
ただ、予備の紙が不衛生な状態になっているのを見るたびに、気になっていた。
そして今回。
見つけたのは、赤い汚れが付着したトイレットペーパーだった。
「これ、どう見ても普通の状態じゃないよな……」
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