「俺の子なんだから、母乳なんか吸わせるな。ミルクでいいだろ」
夫にそう言われたとき、私は耳を疑った。
出産して、まだ3週間。
しかも、私は帝王切開で出産している。
お腹の傷はまだ痛むし、悪露も続いている。夜は赤ちゃんのお世話でまとまった睡眠も取れない。
そんな状態なのに、夫は私が赤ちゃんに母乳をあげることを嫌がる。
「どうして母乳じゃダメなの?」
私が聞くと、夫は不機嫌そうに答えた。
「だって俺も親なんだから。お前だけが特別みたいになるのはおかしいだろ」
「特別とか、そういう話じゃないよ」
「ミルクなら俺もあげられるじゃん」
「それは分かるけど、私だって授乳したいし、胸も張って痛いんだよ」
すると夫は、ため息をついた。
「じゃあ搾乳すればいいじゃん」
あまりにも簡単に言われて、何も返せなかった。
搾乳することだって、体に負担がかかる。
赤ちゃんに直接授乳したいという私の気持ちもある。
でも、夫にはそれが伝わらない。
「俺だって育児したいんだよ」
何か言うたびに、夫はそう繰り返す。
最初は、そんな夫の気持ちがうれしかった。
妊娠中、夫が育休を取ると聞いたとき、私は本当に安心した。
「産後は大変だろうから、俺も休むよ」
そう言ってくれたからだ。
帝王切開になるとは思っていなかったけれど、もし何かあっても夫がそばにいてくれる。
家事も赤ちゃんのお世話も、2人で協力できる。
私はそう信じていた。
でも、実際に出産してみると、想像していた生活とはまるで違っていた。
夫が気にしているのは、赤ちゃんを抱っこする時間だった。
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