今日、酒屋で本当に驚くような出来事があった。
夕方、店内で商品の整理をしていると、1人の年配の男性が日本酒を次々とレジに持ってきた。
「これをお願いします」
見ると、720mlの日本酒が何本も並んでいる。
店員が1本ずつバーコードを読み取っていく。
4本で8,800円。
3本で6,930円。
さらに1本で2,420円。
最後に2本で3,620円。
合計10本。
レジの画面には、21,770円と表示された。
「合計21,770円になります」
男性は財布を取り出し、現金を差し出した。
なんと、30,770円。
お釣りは9,000円。
ここまでは普通の買い物に見えた。
ところが、その様子を見ていた後ろのお客さんが突然口を開いた。
「えっ、そんなに日本酒を買ってどうするんですか?」
男性は少し笑って答えた。
「ちょっとした祝い事がありましてね」
すると、そのお客さんは鼻で笑った。
「今どき、そんなに酒を買うなんて無駄遣いじゃないですか。
しかも2万円以上ですよ?」
店内の空気が少し変わった。
男性は何も言わず、受け取ったお釣りを財布にしまおうとした。
そのとき、店員が静かに尋ねた。
「差し支えなければ、何のお祝いなのか聞いてもいいですか?」
男性は10本の日本酒を見つめながら、ゆっくり話し始めた。
「実は、明日で父が亡くなってから1年になるんです」
店員は黙って耳を傾けた。
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