「えっ、何これ?俺のバイクに手紙?」
用事を済ませて駐輪場に戻ったとき、思わず足を止めた。
バイクのシートに、見覚えのない紙が置かれていたからだ。
白い方眼紙のような紙。
端は少し破れていて、黒いペンで文字がびっしり書かれている。
「誰かの忘れ物?」
最初はそう思った。
でも、よく見ると、明らかに俺に向けて書かれたような内容だった。
「お疲れさまです!」
いきなり元気な挨拶から始まっている。
「一宮って、愛知?」
私は首をかしげた。
「……一宮?」
知らない人から突然、地名について聞かれるとは思わなかった。
しかも、どうして俺のバイクにこんな手紙が置かれているのか。
少し不思議に思いながら、続きを読んだ。
「急にすいません」
ここまでは普通だった。
ところが、その下に書かれていた文字を見て、ようやく何となく事情が分かった。
「CB750FC」
「ああ、バイクの話か!」
どうやら、俺のバイクに興味を持った人が、わざわざ手紙を残してくれたらしい。
知らない人から車種の名前を出されると、バイク好きとしては少しうれしくなる。
「よく見てるなあ……」
俺は思わず笑った。
ただ、手紙にはまだ続きがあった。
「岡山金光ですが」
そして、次の一文。
「手があいたら一宮に来てー!」
「……えっ!?」
思わず声が出た。
「ちょっと待って。一宮に来てって、どういうこと?」
いきなり知らない場所へ誘われている。
しかも、相手が誰なのか分からない。
名前も書かれていないようだった。
「これ、バイクの集まりか何かなのかな?」
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