「お会計、2万1770円になります」
レジから聞こえてきた金額に、私は思わず顔を上げた。
「えっ、2万円超え?」
酒屋で買い物をしていたときのことだ。
目の前のお客さんが、かなりの量の日本酒を購入していた。
最初は、何本かまとめ買いしているんだろうな、くらいに思っていた。
でも、会計が始まってから驚いた。
「こちらが4本ですね」
「はい」
「こちらは3本でよろしいですか?」
「お願いします」
次々と商品が確認されていく。
「すごいな……」
私は心の中でつぶやいた。
自分もお酒を買うことはあるけれど、1回の買い物でこれだけの本数を購入する人を目の前で見るのは珍しかった。
しかも、並んでいるのは720mlの日本酒。
1本だけでも、そこそこの大きさがある。
それが何本もあるのだから、持って帰るだけでも大変そうだ。
「これ、全部で何本あるんだろう?」
気になって数えてみると、合計10本だった。
「10本!?」
思わず声が出そうになった。
1本や2本なら分かる。
家で飲むために買う人もいるし、誰かへの贈り物かもしれない。
でも10本となると、話が違う。
「何かの集まりで使うのかな?」
そんなことを考えているうちに、会計が終わった。
「2万1770円になります」
改めて金額を聞いて、私は驚いた。
日本酒10本で2万1770円。
決して気軽に出せる金額ではない。
ところが、お客さんは特に驚く様子もなく財布を開いた。
「これでお願いします」
店員さんが現金を受け取る。
「3万770円、お預かりいたします」
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