「間に合う」と書いた息子の答案に、先生は大きな赤いバツをつけた。
その理由を聞いた私は、思わず息子の顔を見た。
小学4年生の息子、太郎が算数のテストを持ち帰ってきた。
問題はこうだった。
「学校まで歩いて15分かかります。太郎くんは7時50分に家を出ました。
朝の会は8時に始まります。間に合いますか?」
息子の答えは「間に合う」。
しかし、先生の採点は不正解だった。
赤ペンで大きくバツがつけられ、その下には「問題をよく読みましょう!」と書かれていた。
私は答案を見て、息子に尋ねた。
「太郎、どうして間に合うと思ったの?」
すると息子は、少し考えてから答えた。
「だって、いつも8時になる前に教室に着いてるよ」
「でも、この問題には歩いて15分って書いてあるでしょう?」
「うん。でも、僕は急いで歩くから」
私は少し笑ってしまった。
「急いでも15分かかるって書いてあるんじゃないの?」
息子は黙ってしまった。
翌日、私は息子に正しい計算を教えた。
7時50分から15分後は8時5分。
朝の会は8時開始だから、5分遅刻する。
答えは「間に合わない」だった。
ところが、その日の夕方、息子が思いがけないことを言い出した。
「お母さん、先生に聞きたいことがあるんだ」
「何を?」
「学校まで15分って書いてあるけど、誰が歩いても15分なの?」
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