「先生、どうして7個じゃダメなんですか?」
小学3年生の息子が持ち帰った算数のテストを見て、私は思わず手を止めた。
問題はこうだった。
「りんごが8個あります。3個食べて、2個もらいました。今、りんごは何個ありますか?」
息子の答えは「7個」。
ところが、答案には大きな赤いバツがついていた。
その下には、先生の赤字で「問題をよく読みましょう!」と書かれている。
私は息子に尋ねた。
「どうして7個だと思ったの?」
息子は迷わず答えた。
「最初に8個あったでしょ?3個食べたから5個になって、そのあと2個もらったから7個だよ」
私は頭の中でもう一度計算した。
8-3+2=7。
どう考えても合っている。
「先生は何個って書いてほしかったんだろうね?」
そう聞くと、息子は少し困った顔をした。
「わからない。でも、間違ってないと思う」
翌日、私は連絡帳に答案の写真を添えて、先生に確認をお願いした。
すると、その日の夕方、担任の先生から電話がかかってきた。
「お母さん、今回の問題についてですが、実は少し確認したいことがありまして……」
先生の話では、クラスの多くの子が同じ問題で間違えていたという。
先生が想定していた答えは5個だった。
どうやら、最初の8個から3個を食べたところまでしか考えていなかったらしい。
私は静かに尋ねた。
「でも、問題にはそのあと2個もらったと書いてありますよね?」
電話の向こうで、先生はしばらく黙っていた。
「……確かに、そうですね」
翌日、息子は学校から帰ってくると、少し嬉しそうに話し始めた。
「お母さん、今日ね、先生がみんなの前で謝ってくれたよ!」
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