「違反は確定しています。あとは9,000円を納めてください」
警察官からそう告げられた瞬間、私は思わず聞き返した。
「え? 私、何の違反をしたんですか?」
その日は仕事帰りだった。
夕方、信号のない横断歩道に差しかかった私は、歩行者が渡り終えるまで車を停止させていた。
左右を確認し、歩行者が完全に通過したことを確認してから、ゆっくり発進した。
いつも通りの運転だった。
ところが、数百メートル走ったところで、突然後方から赤色灯が見えた。
パトカーだった。
私は安全な場所に車を止めた。
警察官が近づいてきて、窓を開けるように指示した。
「先ほどの横断歩道で、歩行者を驚かせるような発進をしましたね」
私は驚いた。
「歩行者はもう渡り終えていましたよ?」
すると警察官は、少し面倒そうな顔で答えた。
「こちらで確認しています。交通違反になります」
そして、反則切符を取り出した。
金額は9,000円。
私は納得できなかった。
「申し訳ありませんが、ドライブレコーダーを確認していただけませんか?」
警察官は時計を見ながら答えた。
「今から確認するんですか? こちらも仕事がありますので、早く手続きを済ませてください」
さらに、切符への署名を求めてきた。
しかし、私は焦らなかった。
「事実を確認してから対応したいです。映像を見ずに署名することはできません」
警察官は小さくため息をついた。
「皆さん、そうおっしゃいますけどね」
その言葉に、私は少し違和感を覚えた。
私は違反を認めていない。
それなのに、最初から違反したことが決まっているような対応だった。
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