「そこは私たちが予約した駐車スペースです!どうして勝手に停めているんですか?」
連休中の中部国際空港で、私は目の前の黒い大型SUVを見て言葉を失った。
その車が停まっていたのは、私たちが事前予約していた障害者専用駐車スペースだった。
飛行機に乗るため、私たちは余裕を持って空港へ向かっていた。
同乗している家族は長い距離を歩くことが難しい。
だからこそ、空港入口に近い専用区画を事前に予約していたのだ。
予約確認メールも手元にある。
利用日時も区画番号も間違いない。
ところが、現地に到着すると、そこには見知らぬ黒いSUVが堂々と停まっていた。
しかも、本来区画の前に置かれていたはずのカラーコーンは、車の横へ移動させられていた。
フロントガラスを確認しても、障害者用の駐車許可証は見当たらない。
運転手の姿もなかった。
「どうしよう……」
家族の不安そうな声が聞こえた。
連休中の空港は満車に近く、別の場所を探すだけでも大変だった。
私はすぐに駐車場の管理人へ連絡した。
数分後、管理人が現場に駆けつけた。
黒いSUVを見るなり、申し訳なさそうな顔をした。
「本当に申し訳ありません。まだ戻ってきていないんですね」
私は思わず尋ねた。
「この車、もう把握していたんですか?」
管理人はうなずいた。
実は、すでに館内放送で何度も車両の移動を呼びかけていたという。
車種、色、駐車階、区画番号まで伝えていた。
それでも運転手は戻ってこなかった。
さらに管理人から聞いた話に、私は驚いた。
防犯カメラには、運転手が車を降りてカラーコーンを自分で移動させ、そのまま専用区画へ駐車する様子が映っていたという。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください