「ちょっと待って……これ、何なの?」
弟のリュックを片づけていた私は、透明な袋の中身を見て思わず手を止めた。
中に入っていたのは、黒く干からびた奇妙な物体だった。
しかも、1個や2個ではない。
数えてみると、10個以上も入っていた。
どれも頭のような丸い部分があり、細長い尻尾のようなものが伸びている。
表面はしわだらけで、まるで小さな生き物が干からびたようだった。
弟はまだ16歳。
前日の夜、友達3人とサッカー観戦に出かけ、帰宅したのは午後11時過ぎだった。
私は嫌な予感がした。
「まさか、変なものを持ち帰ったんじゃ……」
慌ててスマホで似た画像を検索したが、正体は分からない。
勝手に袋を開けるのも怖かったので、そのまま写真を撮った。
ちょうどそのとき、弟がリビングに入ってきた。
「ねえ、これ何?」
私が袋を見せると、弟の顔が一瞬こわばった。
そして、慌てて袋を取り返そうとした。
「別に何でもないよ!」
「何でもないなら説明できるでしょ?」
「危ないものじゃないって!」
しかし、正体を聞いても弟は答えようとしない。
「誰からもらったの?」
「友達」
「どこで?」
「スタジアム」
「何に使うものなの?」
弟は黙り込んだ。
さらに私が母に見せると言うと、急に慌て始めた。
「それだけはやめて!」
その反応を見て、私はますます不安になった。
薬物なのか、それとも別の危険なものなのか。
弟を怒鳴りつけても仕方がない。
私は袋を開けず、弟に落ち着いて説明するよう伝えた。
すると弟は、スマホを取り出した。
「昨日の動画が友達から送られてくるから、それを見れば分かるよ」
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